「……ちょっと待ちなさい」
「どうした?」
不思議そうに首を傾げる拓真。
どうした?じゃ、ない。
彼は髪を乾かし終えたと思うと
雑誌を読む僕の肩を押して、
そのままベッドへと押し倒してきた。
「なんでいきなりこういう事するの?」
「したいから」
駄目?と、また彼は首を傾げた。
だから、可愛さを重視させるような仕草は止めて欲しい。
「したいからって……。
この間はさ、僕の体見て
平らだと何とか言ってたよね」
「うん。言ったけど」
それが何?と、不思議そうにしている。
「何?じゃなくて、不満なんじゃないの?
男なんだよ、拓真も僕も」
「知ってるよ。当たり前じゃん」
「……じゃあ、あれは
どういう意味で言ってたの?」
そう尋ねると、
彼は困ったような顔で笑う。
……カッコいいんだよ、ちくしょう。
「どう見ても男なのにさ、
触りたいとか思うし、
欲情するからどうしようって思ったんだ」
納得した?と、
手の甲で頬を撫でながら聞いてくる。



