彼も自身を洗い終えて、湯船に入ってきた
僕は壁際に背中を預けて座っていて、
彼は反対側で、こちらに向けて
足を伸ばして座っている。
「お前も足、伸ばせば?」
足を伸ばしても反対側には足がつかない程
この家の浴槽は大きく作られている。
「ん、じゃあそうするよ」
浴槽の端には足がつかないけれど、
2人で向かい合っていると、
お互いの脚は少しだけぶつかる。
ていっと、彼が僕を蹴ってくるので
僕もやり返してみたり、
足で水面を蹴ってみたりする。
そうやって遊んでいると、
彼がふと何かを思いついた顔をした。



