安心したのもつかの間
「…………」
「………………」
見つめあう体勢になってしまった。
今の、若干まだ気恥ずかしさの残る状態で
彼と視線を混じり合わせるのは遠慮したい
「……順也、」
「………………何?」
返答を返すと、彼は無言で顔を引き寄せ
そのまま僕の唇を奪っていった。
「奪っちゃった!」
「……古いよ」
数年前に流行ったお茶のCMの真似だ。
相手はパペットではないけれど。
そう?と笑って、再び足を取る。
また僕の足先へと指をすべらせて、
しばらく僕の顔をみつつ洗っていた。
そして気が済んだのか、
ようやく泡を流して、
湯船へ浸かるよう勧めてくる。
手すりもついているので、
そこを掴んでいれば、
手がお湯に沈む事は無いだろう。



