ひざ裏に手を回されると、思わず体が震えた。
「感じてんの?」
「っ、くすぐったいの!」
言い返すと、彼は笑いながら
洗う手は止まらずに、足首を掴まれた。
そして指を僕の足指の間へと潜らせる。
付け根をぬるぬるとした指が通り、
何だか変な感覚に襲われる。
それをどうにか隠そうと身じろぐと、
バランスを崩して、
座らされた椅子から落ちそうになった。
「うわっ!」
「危なっ!」
腰の辺りに腕を回して支えられるけれど、
もちろんその腕もぬめっている。
再びずるっといきそうになるので、
思わず彼の肩を掴んで、バランスを取ろうとした。
ビニールを履いている手でも、
それ位の事は出来た。助かった。



