再びシャワーでお湯をかけられて、
髪についた泡が排水溝へと、
溶けながら流れていくのを見送った。
そして最終確認。
「……やっぱり体は自分で洗うから」
「それじゃあ今頭洗った意味無いだろ?
手に石鹸しみるし。
お前、痛いの嫌いじゃん」
確かに痛いのは嫌いだ。
嫌いだけれど、恥ずかしいのも苦手だ。
彼はお風呂に入る前、
全部やってやると言った。
髪や背中だけなら耐えられる。
だけれど、体全部はちょっとキツイ。
「……何か心配してる?
大丈夫、変な事しないから」
なっ?と、肩に頭を乗せて
僕の顔を覗き込んで聞いてきた。
それは僕の好きな内の1つの、
あのちょっと困ったような笑顔だから
ただでさえ断れないのが、さらに強くなる



