「そう、だよな」

うん。と、コロッと表情を変え、
彼はまた僕に向き合った。


「そうそう。あんまり気にしないでさ、」

何かお菓子でも持って来たらいいかな。
そうしたら、もっといつも通りに戻りそう
そんな事を考えていた。


「じゃあ、もう1回お願いします!」

「へ?」


今度は軽く、触れるだけで

傷つける事は無く、離れていった。




あまりにも優しいキスだから、
僕はまた、うるさい心臓の扱いに困る。



「今のは成功?」

「……いいんじゃない?」




期待は絶対、しちゃいけない。
言い聞かせながら、お菓子を取りにいく。

こんな顔を、彼に見られないように。