結局、全部、最後まで。
彼の手によって脱がされてしまった。
「……なんか疲れた……」
精神的に。
「じゃあゆっくり浸かって疲れ取ろうな」
……そうは言われても、
これから余計に疲れそうな気がする。
背中を押され浴室に入り、
促されるままに椅子に座らされた。
……拒否権なんて無い。僕の性格的に。
そりゃ本気で嫌がれば
彼だって無理強いはしないだろう。
それは解っているけれど、
彼の顔を見ていると、
少々の無理でもしたくなるので
こういう事も、断るのは難しい。
「まず頭洗おうなー」
少し俯くとお湯をかけられ、
そのまま普通に髪を洗われていく。
引っ張ったり傷つけたりしないように
気を使っているらしく、
彼が普段自分の髪を洗うのとは違い、
優しい手つきで揉むように洗われていく。



