「よし、一緒に風呂入ろう!」
食後、落ち着いた所で彼がそう言った。
……予想は、していた。
僕の手を指して、
「それじゃ洗えないだろ?」
全部俺がやってやるから。と言われた。
「そんな大した傷でも無いし、
包帯外して入るよ……」
そう言って断っても、
晩御飯同様、彼は引いてくれない。
「しみるだろ?」
「そうだけど……黙ってたけど僕、
本当は湿潤療法派なんだ!」
「……何それ?」
変な顔をして疑問で返された。
「消毒しないで、水で洗うだけで、
ラップとか巻いておく治療法だよ」
「そんな事いつもしてないじゃん?」
……まあ、そうなんだけど。
「昨日からそっち派になったんだよ」
「でも、もう薬塗っちゃったし、
今回はそれでいいじゃんか」
いいから、入ろう。と、手をひかれる。
「……お風呂入ったら
洗って貰うにしても濡れるよね?
だったら、外しても同じじゃん」
そう言うと、彼はにーっと
口と目を細めて笑みを作って言った。
「ビニール袋はめようか」



