愛しているから、さようなら!【BL】



「キスとかされて、持ちたくない期待を持たされてたんだよ?」

叶わないのなら、
最初からいらないと思った。

そんな物を、半ば無理やりに。


「どうにか奪えないかなと思ったんだ」

ファーストキス。と、言われた。


「それ以降のはなんだよ?」

「してみたかった。触りたかったから」

「それならそうと、言えばよかったのに」


言ってはみたけど、
でも、そんなの無理だろう。
僕が言えなかったのと同じ事だ。

しかし彼の返答は、
僕の予想を凌駕するものだった。


「じゃあ触っていい?」

「……え?」

顔を上げると彼は、僕の真正面に居た。