ずっと言える訳が無いと思っていた。
言う必要なんて無い。と。
それでずっと仕舞い込んできた想い。
彼に先を越されてしまったけれど、
ようやく正しい場所へと出す事ができた。
「……同情してんの?」
「違うよ。
言われる前からずっと、好きなんだ」
信じられない。といった顔で
彼は僕を見つめている。
持っていた鞄が、手から落ちて
また何かが……ペットボトルが転がった。
それを拾い上げて、彼の隣に立ち、
鞄へしまい、ちゃんと閉じる。
「嘘だろ?!」
「いや、本当だよ」
うそーと、彼はまだ疑っているが
とりあえず。
「帰ろう?」



