「僕が転ぶのはさ、
大体いつも拓真の所為なんだ」
本を読んでた僕を外遊びに誘うのも、
マイペースにいこうとしたマラソンで、
結局本気で走る事になったのも、
それら全部で盛大に転んでしまったのも。
全部、彼が居たからだ。
「……ゴメン」
少し前を歩きながら、彼は謝った。
「でもさ、僕を助けるのもいつも君だよ」
転んだ時にいつも駆け寄ってきてくれた。
からかわれてたら代わりに怒ってくれる。
それに1番、大切な物をくれた。
「拓真が居なきゃ駄目なんだ」
そう言うと、そろりと窺うように彼は振り向いた。
「僕も、君が好きだよ」



