ようやく解放される。

そう思ったのもつかの間、
今度は彼の舌が、尖りに触れた。

「ちょぉ?!マジで何するの!」

乾いている肌とは違う、
その器官独特の感触に肌が粟立つ。

「珍しく動揺してて面白い!」

そんな感想は聞いてない。



抵抗しても彼は、練習させてよ。と、
有無を言わせず続行している。



この間も思ったけれど、
どうして彼は人の肌を舐めたり、
そういう事が平気で出来るんだ。

ふいに岩倉さんの呟きがよみがえる。
好きでも無い相手にキスはできない。

じゃあ、これは?

皮膚のふれあいと言う点では、同じ。
それよりも難易度は高いような気がする。

つまり、種類はどうであれ、
彼は僕に好意を持っているという事か。


それで、僕は一体どうすればいいんだ?


……とりあえずはまあ、
彼の好きにさせてみるけれど。