「じゃあ拓真、いってらっしゃい」 「え、あ、うん。いってきます。 そして順也、いってらっしゃい」 いってきます。 彼女の代わりに、言ってみた。 そんなやり取りをしている間に、 発車の時刻が迫ってきた。 「じゃあ、そろそろ行くね」 「あ、うん。バイバイ!」 それから最後に言いたい事があると、 彼女は付け足した。 「順也君……ごめんね!」 それは何に対する謝罪なのか。 僕にはさっぱりわからなかった。