次の日、目が覚めると、 拓真が先に起きていた。 「おはよう!」 「……おはよう」 彼の手元には、大きな鞄。 彼も、一人暮らしを始める。 進学先は県内だけれど、離れた市だし、 この大きな家で1人よりも、彼は楽だろう 「今日、出るの?」 準備をしている事は知っていたが、 日にちが同じとは聞いていなかった。 「そ。一緒の方がいいだろ?」 「……うん」 残されるよりは、多分、少しいい。 自分も忙しければ紛れるだろう。 きっとそんな考えだ。