それでもやっぱり、
まっすぐに取るのはちょっと恥ずかしい。


そうだ。別にこんなの
自分の指を舐めてるのとそう変わらない。

それなら、赤ちゃんの頃に
誰でもした事があるだろう。

大丈夫だ、うろたえるな。


そう自分に喝を入れていると、
突然指が引き抜かれた。


もういいのか。
意外と短かった。よかった。

……しかし、
あんまり指を見せつけないで欲しい。


ティッシュの箱へと手を伸ばしかけると

「なんかボーっとしてた?」

そう尋ねられた。


「別に、ボーっとしてないよ」

むしろ、なろうと頑張ってた。



顔を見ると、何故だか不満そうな彼は
今度は中指も一緒に出して、

「もう1回」

笑顔でそう言った。