なんか・・・

きゅんっ、、

「高橋ってめっちゃ走るの速いでしょ?」

「俺1組だったんだけどさ、

教室から校庭で体育してんのよく見えたー」

「え、見てた!?」

山本くんってあたしのこと知ってたのー!?

「や、なんかすごい速い子いるなーって

思って、友達に聞いたら、[高橋ってやつだよ]

っていわれたんだよね!

昨日まで顔知らなかったんだけどさ!」

うそだーーーっ。

1年のとき山本くんにそんなこと思われてたんだっ

なんか、急に恥ずかしくなってきたっ!!

「100メートル何秒??」

「え、13秒後半くらい?」

「はやーっ!!

なんで陸部はいらなかったん?」

「だってバトしたかったから♪」

「へーそうなんやー。」

あたしは、1年からバト部に入っている。

お姉ちゃんがしていたから、

その影響もあって、入った。

練習は厳しいけど、

打っているときはすごく楽しい。

「そっかーバト部なんやー。」

「山本くんて何部?」

初めて山本くんにあたしから質問をした。

「俺?俺はバスケ部!!」

「へー、そうなんだ」

そう言って、

階段を上り終えた山本くんは、

急に立ち止まった。

そしてあたしの方を見てこう言った。

「こっから教室まで競争なっ」

「えっ」

あたしがそう言ってびっくりしている間に、

山本くんは、しゃがんで、

クラウチングスタートの構えをしている。