「かーえろっ!」

「うん。」

集会が終わって、

結衣はあたしのところに飛んできた。

裕也くんと同じクラスになれて、

そんなに嬉しいのか、

顔が緩んでいる、結衣。

「結衣~?顔ヘロヘロだよ~?」

「えっ!?」

「ニヤけすぎー。」

「ニヤけてないからっ!!」

「あははっ」

頬を可愛らしくピンクに染めた結衣は、

女子のあたしが見ても、

本当に可愛かった。

「高橋さん、ちょっときてくれる?」

あたしに声をかけてきたのは、

先生の中で1番美人な沖田先生だった。

「はい?」

「藍那、玄関で待ってる。」

「あ、うん」

あたしは、小さく結衣に手を振った。

「ごめんなさいね、すぐ終わるから。」

「はい」

沖田先生の後ろには、1人の男子がいた。

背がスラッと高くて、

ワックスで立てた髪がふわふわで、

日に焼けた肌が印象的だった。

名前も顔も…知らないな…

「あのね、2人に1組の学級長をして

欲しいんだけどね。」

「学級長ですか!?」

その男子は、笑いながら先生に言った。

「いや?」

「いや、いやじゃないですけど」

「ははっ、じゃよろしくね。

高橋さんもいい?」

「あ、はいっ。」

学級長かあ…