「そんな兄上でもやっぱりカッコイイけどね」

まだあどけなさが残るマルスは幽かに微笑んだ。

「・・・兄上の所に行って来るよ」

「マルス様まで…」



   †††



――はぁ、此処は人も滅多に来ないし風通しもいいから落ち着くな。

上空に浮く小さな島に腰を下ろしているアロイス。

「兄上ー」

片目を開けマルスがこっちに向かっているのを確認する。

マルスは翼をしまい、やはり此処でしたか。と微笑んだ。