――嫌気が差すな

この世に懲り懲りしてるとある少年。

彼は有能で凛々しく将来の期待が高い、王位継承権第6位のこの国の皇子。

そして"竜"である。

名をアロイス・リベア・ドラゴンと言った。

有望な彼だが帝国の息子という檻に閉じ込められ、自由が少ない生活が嫌だった。

自由に翼を羽ばたかせる、そんな暮らしが好みだった。

そのせいか、彼は凄く気ままだった。

「アロイス様、何処に行かれるのですか!」

アロイスの要人警護官。

所謂SPのガルドが勝手に城から出ていこうとする所を止めにかかる。

「出かける」

そう言って妖しげな笑みを浮かべ、彼は翼を広げ飛び去った。