空間の裂け目に俺が飛び込んだ刹那、俺は体を捻り、移り行く景色を見る間もなく左手の熱拳を蛇の眉間に打ち込んだ。
熱拳は瞬間的に紅い炎となり、火力を強める。
空間の裂け目から追いかけて来ようとしていた蛇は首を引く。
そして、誠が腕を振り下ろし、空間の裂け目は消滅した。
俺たちは暫らく無言だった。
あんな化け物と遭遇したんだから当たり前か…
いや、正確には遭遇したのは由紀と紘佑と誠と俺の4人だけどな…
「もう心配ない…
あの場所から何十kmも離れている…」
誠が息を切らしている。
ようやくベーススペースが復活し、俺達は透明になっていく壁を余所に中へと入っていった。
おそらく由紀が位置発見不可能にしたんだろう。
中に入った俺は、急に体に怠さを覚えた。
思いがけず炎拳を使ったからか?
「今の蛇はまさにこの森のヌシだろう。
雅也がいなけりゃ被害者が出ていたはずだ…
みんなはゆっくりしていてくれ…
俺は俊を迎えるから。」
紘佑は額の汗を拭い、ホールから出ていった。

