━━━━吉良雅也目線━━━━
何かがいる!
俺達三人は、茂みを見つめて立ち止まった。
誠はゆっくりと空間の裂け目を紘佑に近付けている。
先に、近い紘佑から逃がすつもりだ。
そして、茂みをからは、赤い舌が姿を現した。
先が二つに別れている…
間違いない…蛇だ……
『シャ─────!』
姿を現した蛇は、俺達の想像を覆した。
ギョロリとした眼は真っ直ぐにこっちを向いていて、体は紫とも藍色とも言えず、怪しく光っている。
顎が地面に付いているにもかかわらず、高さは2mはあり、口を開けば俺達なんて軽く飲み込めるだろう。
まるで電車を前から見ている感じだ。
動きだし、1秒あれば俺は口の中だろう。
空間の裂け目を向かわせてくれて、俺が走っても2秒は必要だ…
その1秒が勝負か…
紘佑の背後に空間の裂け目が到着する。
紘佑が消えた瞬間だ…
チャンスはそこしかない…
俺は、両手に熱を集め始めた。
そして…
紘佑は後ろに倒れるようにして消え、誠と空間の裂け目、巨大蛇が俺に向かって突っ込んできた。
俺はすぐに左手に蓄めた熱を蛇に噴射しながら空間の裂け目に向かった。
振り替える時間はない!
誠が空間の裂け目に飛び込み、後は俺だけになる。
俺はすぐ背後に気配を感じ、右手の熱も背後に噴射した。
同時に左手に熱を集め、螺旋状に回転させる。
『シャ──!!』
俺は、空間の裂け目にジャンプした。

