男の子の前に立つとゆっくりと顔を上げた
少し茶色がかった短い髪に見上げている瞳が少し灰色っぽくてハーフのような顔立ちをしていた
でも、その瞳はどこか悲しそうに見えた
「何か用?」
「あ、あの…そのケータイ私のなんです」
ベンチに置いてあるケータイを指さして言った
「このケータイ、あんたのか。
落とし主から電話かかってくるかと思って待ってたけど来ないからそのまま置いて行こうと思ってた」
そう言って立ち上がると私にケータイを渡して校舎の中に入って行った
1人取り残された私は、ただ彼が入って行った校舎を見つめていた

