「私が水瀬くんに曖昧にしないでって言ったの…。


紗弥が辛そうで見てられなくて…」




「そうだったんだ…



ありがとう、夏実…」






「え?」





「別れた直後は悲しかったけど、
でも、あのままでもきっとダメになってた。

いつかはこうなる運命だったんだよ…
それが少し早かっただけ。


もう吹っ切れた」





紗弥は私の方を見てそう言った


その時の紗弥の顔にはもう悲しい表情はなかった