「おわっ!?お前かよっ!…び、びっくりした…!!」

叫心に抱き着くと、いつもの反応。

ううん、いつもの反応は全然いいんだけどね?
やっぱ…その~…



付き合ってるんだし?





"おはよう麗奈。今日も可愛いね"



とかなんとか言ってくれたりしないのかなー?
一回で良いから言われてみたかったんだよね!!!



「おい叫心、高橋に挨拶しろよ!」

挨拶を待つあたしに、小林君は叫心を挨拶するように促した。



もちろん、あたしはさっきの言葉を待つ。
だけど叫心はなかなかあたしの顔を見てくれない。




「叫心?いい加減照れるのやめろよ」

小林君は半ば飽きれ気味に笑ってる。



あたしも



やっぱりまだ付き合いたてだし…そんな簡単に叫心が変わるわけないよね…



そう諦めた時だった。










「お、おは…おはよっ…!、れ…れ…麗…奈」



顔を真っ赤中の真っ赤に染めてそう言う叫心。












前言撤回っ!


もう朝の挨拶なんてどんなんでもいい!

あたし、やっぱり叫心が好きー!





やっぱり叫心はこうでなくっちゃ!



叫心にはこんなに可愛いとこがあったじゃん。
あたし、何を求めてたんだろ。


これだけで十分心は満たさるってわかってたじゃんか!












…ってちょっと待って!?

い、今叫心あたしの事……!





「麗奈って呼んだ……?」

叫心の顔を覗き込みながらそう言うと



「うるせー!とりあえず学校だよ!!学校!」





叫心は顔を更に真っ赤にして、少し先を歩き出した。






あたしと小林君は顔を見合わせて笑って、叫心の後を追った。