長塚さんとの一件も落着して。
あたしと叫心には再びあの穏やかな日々が戻ってきた。







「えーっと…叫心の家は確か…」



この辺りだったと思うんだけどな~、間違えてたりして…!?


ってそんな事は絶対ないない!


頭の良い麗奈ちゃんは、事前に調べ済みっ!


って…そりゃ調べたのは付き合う前だったから、ストーカーみたいだけど、好きだったからしょうがないよ。

好きな人の全部を知りたいもん。
それってみんなが思う、当たり前のことでしょ?


あたし、叫心知識はすごいよ?
きっと叫心のママとパパにも負けないね!


ホクロの数とかぁ~…

クセとかぁ~…

叫心の趣味とかタイプとか!っていうか、あたし!みたいな?

…おっとっと!
調子乗りすぎちゃった!


とにかく!極秘の情報であれ、何でも知ってるんだよね!


でも、これからは彼女としてまた叫心知識が増えるんだ!


きゃー、嬉しいっ!!







そんな事を想像し、照れながら歩いていると






「叫心待てよー」

「いいから早く来いよ。遅刻すんだろ?!」



叫心と小林君の話す声が聞こえてきた。


「叫心だぁっ!」



あたしは嬉しくなって、声のする方に近付いた。




見えてきたのは叫心と小林君の後ろ姿。
その中でも一段と光ってる叫心の後ろ姿。



あたしはダッシュで叫心に近付いて



「きょーしんっ!おっはよー!!」







思いっきり叫心に抱き着いた。