もうダメだ…。
今まで睨まれたり、体操服が無くなったり…。
上履きが潰されていたり、教科書が捨てられていたり。
いろんな事があったけど、あたし我慢したよ?
それは叫心がいたから。
でも、もうきっと誰かのものになった叫心。
きっと、あたしの事助けになんか来てくれない。
よく考えたらもともとそうじゃない。
あたしだけが叫心を好きで、叫心の気持ちなんて聞いた事がない。
いつも無理矢理叫心に気持ちをぶつけてきた。
だけど、あたしにだって限界はあるの。
いくら叫心がいても
どんなに叫心が大好きでも
怖いよ。
辛いよ…、苦しいよ……!
「あ…愛…。もうあたし…怖いよ…」
「麗奈!?」
「…どうして、叫心を好きでいちゃいけないの…かな?…」
「あ、ちょっと!!麗奈っ……!」
あたしはそれ以上無惨な自分の机を見ていたくなくて
気付けば教室を飛び出ていた。
「っ…笹岡っ!!!…あんた…一体何やってんの…?!」
麗奈が出て行ったあとの教室では、愛が麗奈のためにしてやれることが何もなく、自分の非力さに、悔やみ…悲しみ、怒りのあまりに
ドアを何回も何回も叩き付けた。