「それよりさ~、あんたどうだったのよ?!」


「それがちょっと聞いてよっ!!」


あたしと愛は、来客用スリッパを直しに行ったあと

昨日の事を話しながら教室に向かっていた。



「叫心ってばね~、本当にかっこいいの!!!!」

「うわ…さっそくノロケ?」

「ノロケまくり!!」

「あはは……で、何がかっこいいの?」

「何か…プリクラとか…アイスをさりげなく奢ってくれたりとかぁ…!あっ、あと!!またヤンキーから助けてくれたのっ!!」



あ~もうっ!!
思い出しただけで、メロメロ~!!


叫心、かっこよすぎ~!!
ていうか、大好きー!



「…笹岡とプリクラ!?…しかも、また絡まれたんだ?」


意外そうにあたしを見つめる愛。
はははは。もっと見つめろ~。といって。あたしの幸せオーラは分けてあげませんけど。



「えへへ~!叫心といるときには絡まれてもOKかも!」


「お前はバカか!!」



愛の空手チョップを受けながら


あたし達は自分達の教室に戻った。









……ドキンッ…



教室に入る直後に感じた視線。


「…?」



恐る恐る振り返ってみると、ちょうど視線の先には




長塚さんがいた…。







あたしの中の危険信号は、確実に大きな音を鳴らして

胸の中で鳴り響いていた。