「最悪……」



翌日



昨日の叫心とのデートで気分はすっかり上々だった。

しかし、それも束の間。


下駄箱を開けてみると、中にあったあたしの上履きは見るも無惨な姿をしていた。


所々カッターか何かで破られていて、かかとなんかあたしがしたわけじゃないのに、履き潰されていた。



「…これじゃ履けないや…」


あたしは鞄から財布を取り出して、今日持ってきている金額を調べた。

すると幸運な事に、お金は上履きを買うのに十分買えるくらい、持ち合わせがあった。




これでとりあえず靴を買いに行こう…



あたしは来客用スリッパを履いて


購買へ向かった。











『いらっしゃい!何にする?』

「上履き下さい」


『はいよ!何センチ?』

「23.5で」

『はいよ~。1500円になります』

購買のおばちゃんにお金を渡して、上履きを受け取った。



「あれっ?上履き買ってんの?」

「あ、愛!!」



急に後ろから愛が話しかけてきた。



「うん。履き潰しちゃってさ」



愛には黙っておこう…


心配させたら…


悪いもんね。



あたしは、まだ確証がないし、気のせいだと自分に言い聞かせ


愛には黙っている事にした。