「ほら、行くぞっ」



もうきっとヤンキー達のとこにいたくないだろうと思い、俺は高橋の腕を掴んでその場を足早に離れた。






「大丈夫か?」

「え…?あ、うん!!」

「何かボーッとしてんな。本当に大丈夫か?」


公園から出ても、高橋は魂が抜けてるように呆然としていたから、俺は何回も肩を揺さぶった。




「全然大丈夫っ!ありがとうね!!」


「いや、俺も悪かったな。一人にして…」


「叫心、また助けてくれたね…!!」

「…まああの状態じゃ、助けて当たり前だろ。」




可愛く俺にお礼を言う高橋とは反対に、俺は無愛想で全然紳士っぽく振舞えない。


こんなんじゃ、マジでいつか絶対飽きられる。

だって、俺が女でも俺みたいな男と付き合うの絶対嫌だもん。

なるべく関わりたくない相手ナンバーワンだぜ!


だけど、やっぱ高橋を見てるとさ。思っちゃうんだよな。

俺が助けなきゃって。
何かよくわかんないけど、俺にそんな資格があるのかもわからないけど。


やっぱ、助けたいって思うんだ。


それも一番に。


そんだけ、高橋に溺れてるってことなのかな。









「もう暗いし、…帰るか」


「うんっ」

「送ってやるよ」




俺はそう言って、掴んでいた高橋の手をギュッと握った。



これ、かなり勇気入ります。




だけど、もっと驚いたことに。
高橋も、ぎゅっと力強く握り返してくれたこと。








二人で歩く帰り道は、何故か暖かく、癒されるものに包まれているような気がした。