いつもなら俺らのクラスの方がSHRが終わるのは遅いのだけど、今日は珍しく反対で。

俺が教室に着いても、まだ高橋のクラスは終わっていないようだった。



静かに終わるのを待っているけれど、心の中では心臓がバクバクと大きな音を鳴らしながら鳴っている。

俺はとにかく緊張を抑えるために、何回も掌に人の文字を書いたりして、何回も飲み込んだ。


そして、ギュッと長塚から預かった体操服をギュッと握り締める。


微かに高橋のニオイが漂ってきて、酔いしれそうになる…が、ここは我慢!


ていうか、俺変態みたいじゃね?


やめとこ、やめとこ!
嬉しそうに体操服持たれてたら、やっぱキモイもんな。

俺だって、ソイツのことぶん殴りそうになる。


ここはおとなしく待っておくことにします。






そして、ようやく先生の号令の合図が聞こえて生徒が椅子から立ち上がる音がした。


きっと、終わったのだろう。



高橋に会う瞬間が刻々と近づいてくることで、さらに俺の心臓の脈拍は激しく打ち始める。


うっとーしぃ!
黙って待っとけないんか、お前は!

と、心の中で必死に怒る。




そして、がラッと。
運命の扉が開いた。