「あ、そうそう!愛!今日叫心とデートするの~!」


体育が終わり待ちに待ったお弁当の時間、あたしはさっそく叫心との事を愛に報告した。



「は?」



ボトっと、ソーセージを机に落として


口をポカンと開ける愛。


ちょっとマヌケな顔をしていて、可愛いかも…。
本人には絶対直接言ってやんないけどねー!



「つ、付き合ってんの?」

「!!やぁ~だぁっ!!まだ…そこまでいってないってば~!」


もうすぐそこまでいくつもりなんですけどー!
でも、その前置きってあるじゃないですかあー。きっと今日のデートはその前置きってとこになるな!



「キモい!照れるなっ」


愛からチョップをくらう。

「えへっ。調子のりました」

「のりすぎだっつ~の」


再び愛は、ご飯を食べ始める。




「笹岡よく誘い受けたね」

「泣き落とした」

「ははは…必殺小悪魔泣きか。そりゃ落ちるわ」


納得したように愛は一人頷いていた。







「笹岡、モテるからイジメに気をつけてよ?」




愛のその言葉にドキッとした。

そしてさっきまで忘れていたあの体操服がなくなったことを思い出した。




まさか自分が、とは思っていたけど


もしかしたら、本当にそうなるかもしれない。


周りから見たら、やっぱりあんなに叫心、叫心言っていたら



目立つもんね…






大丈夫。

まだ何にもされてないじゃない。



気にする事なんかないよ。





「ん。平気だよ!」



あたしは愛に心配させないように、笑ってそう言った。