翌日あたしは、大あくびをしながら、校門に入った。


昨日、あのあと叫心は照れたままで、会話らしい会話はしてくれなかった。

だけど、叫心からあんな言葉が聞けるなんて思ってもいなかったからそれだけで十分なんだっ!



今日も叫心と仲良く出来たらいいな~
なんて能天気な事を考えながら歩いていると


「おはよ~っ」

と肩を叩いて挨拶をされた。


「叫心!?……って愛か~」

叫心だと思って振り返ったら、そこにいたのは愛だった。


「麗奈?いくらなんでも、親友と好きな人を間違えないでよ!」

「ごめんごめんっ!あ、昨日は本当にありがとねっ」

「何急にお礼なんて…毎日の事じゃん!」

「それがねっ?聞いてくれるかな~?昨日、叫心と一緒に帰ったんだ~!」

「うっそまじで?!」


ある意味、愛のおかげだよね…
一人だったから、叫心が家まで送ってくれたんだし…


「へえ~」


愛は意外そうに話を聞く。

「それと、今日からグランドで応援するからっ」

「え?!笹岡怒らないの?」

「叫心から言ってきたんだも~んっ」

「あんたら、いつの間にそんな進展したのよ~」


本当に自分でもいつの間に!?って思うくらい、昨日は仲良く過ごせたな~って思う!!


でも、それもグランドで応援してもいいって言ったのは…空き教室で応援されんのはウザイから…とかストーカーみたいだから…とか思ったからかな…!?


…えへへ、まぁいーや!
これもきっとあたしの愛が叫心に伝わったんだよね~!


「あ、あたし叫心に朝の挨拶しに行くから、先教室行っててっ」


「りょ~かいっ」


あたしと、愛はちょうど真ん中のあたりでわかれて


愛は3組に。


あたしは叫心のいる7組へと向かった。