小悪魔れんあい




今日はこれないって。

仕事があるから、昨日あたしに代わりに行ってくれって…言ってたのに。


そう、あの玲さんが真実さんの手を引きとめた。


「兄貴…!」

「れ、いっ…!」


振り返った先の人物に、真実さんはかなり動揺しているようだ。その証拠に、冷や汗をかなり掻いてる様子。


「真実、久しぶりだな」

「あんた、どの面下げてあたしの前にっ…!」

「この面だよ」

クスクス笑ってからかう玲さんに、真実さんはさらに腹を立てて叫ぶ。

「あんたなんか大嫌いなんだから!」

「俺が嫌いだからって、叫心たちに迷惑をかけるんじゃない」

「え…?」



玲さんの言葉に、叫心が反応した。
そして、玲さんはゆっくりあたし達の方へと視線を移すと、ニコッと笑った。


「麗奈ちゃん。聞いたと思うけど叫心は君と別れたくて別れたんじゃないよ」

「…え?」

「全部俺のせいでもあるんだ」

「…?」


玲さんの言ってる意味が、あたしには少しよくわからなかった。だって、玲さんのせいだなんて…。玲さんは一つもあたし達の問題に関わっていないっていうのに。


「俺が浮気したと思ってるんだろ、真実」

「!!」


玲さんにそういわれると、途端に顔を真っ赤に染める真実さん。きっと、図星…なのだと思う。


「兄貴、どういう意味だよ?」

「俺は真実と付き合ってた。けど、俺が大学生なったときに家庭教師のバイトを始めただろ?」

「うん」

「その相手が、たまたま女だったんだ。それで、真実は俺が浮気してると勘違いをして…」

「…して?」

「海外へと、行きましたとさ」


と、玲さんが冗談半分にそういうと、真実さんの顔はこれ以上ないていうほどまでに赤く染め上がった。