この温もりをどれほどあたしは欲しただろう。
叫心の温もり、ニオイ、力強さ。その全てをあたしは欲しかったんだ。
「麗奈っ、ごめん…!俺っ…」
「きょっ…しんっ…」
何回も何回も謝る叫心。
どのことを謝ってるのなんか、もうどうでもいい。
ただ、こうしてくれたことがあたしにとってはこれ以上ない幸せなわけで。
もうこれ以外いらないんだ。
「麗奈と別れてから、毎日が地獄だった。死にそうだった…!」
「…そんなの、あたしの方がっ…!」
「っ、そうだよな。ごめん…!」
そう言って、また確かめるかのように抱きしめる叫心。
あの時の別れの意味なんてもういらないから、ずっとずっとこうしていたい。
「麗奈の応援がないからさっ、俺…全然力入らなくて…さ」
最低だろ、って苦笑いを零す叫心。
あたしはただ黙ってそれを見つめる。
「俺、もう絶対離さないって約束する。…だから」
「…だから?」
「もう一度、俺と付き合ってくれませんか?」
もう一生叶わないと思った、この願い。それが今、実際に叶ってる。
それならばもう、選択肢は一つしかない。
そのはず。
あたしは迷わず大きく頷いて、叫心の体に思いっきり抱きついた。

