「お前、おっせー!」
「う、うるさいわね!?ていうかどうして、知ってるの?」
「試合のこと?」
あたしは何も言わずに縦にコクンと頷く。それを見て、暁羅はため息をつく。
「小林から電話が来たんだよ」
「え?」
「頼むから高橋つれてきてくれって」
「…小林君が?」
今度は暁羅がさっきのあたしと同じように縦にコクンと頷いた。
小林君があたしに何の用事だろう。
彼には長塚さんがいるのに。あたしなんて用無しのはずなのに。
「とりあえず、走るぞ!」
「え!?あ、ちょっ…」
急に暁羅に腕をつかまれて、猛ダッシュ。玲さんの時以上に速い。
…暁羅は、そういやバスケ馬鹿だったか。
と、心の中で文句を言いながらもあたしは必死に後を追いかけた。
「もうすぐ着くぞ!」
なんて、暁羅はヘラヘラ楽しそうに笑ってるけど。あたしは全然楽しくない!
むしろ、疲れまくってる!
「も、はやすぎ…!」
「体力つけろよなー」
暁羅に馬鹿にされながらも、あたし達はようやくお目当ての試合場につくことができた。

