「…というわけなんだけど、今日の昼…長塚と雄大と…真実との5人で食べてもいい?」


「…え?」



いつもなら、あたしが叫心の教室まで遊びにいくのだけれど、今日は珍しく叫心から訪ねてきてくれた。

その思いがけない訪問に、すごく胸は飛び上がったのだけれど。

急な叫心からの提案にあたしは確実に驚きを隠せないでいた。




「ごめん、ほんっとーにごめん!」


両手を顔の前で合わせて、頭まで下げてあたしに謝る叫心。


「長塚さんとか…邪魔しちゃ悪いし、あたしなら愛と食べるから…真実さんと二人で食べてもいいよ?」


と、叫心に向かってかなり可愛くないことを言ってしまうあたし。

だって、しょうがないじゃない。本当は一緒に食べたくてしょうがないっていうのに。

全く叫心と2人っきりになれてないっていうのに。「全然いいよ、仲良く5人で食べようね」なんて、言えるはずがないよ…。

それに、真実さんと話す叫心のことを見たくない。嫉妬に狂ってしまいそうになるから。


それなら、あたしは叫心から離れた場所で友達と食べたいって思ってしまう。


一番は、叫心と食べたいけど。



「…麗奈は…嫌?」


叫心の言葉に、あたしはさらに驚きを隠せない。
だって、嫌…なんて普通聞く?…そんなの、嫌に決まってるじゃない。



反対に聞き返したくなる。

「叫心は、真実さんと食べたいの?」…って。