「絶対に叫心家、潰す!絶対に叫心学校辞めさせる!」


…はい、出ました。
真実お決まりの、「辞めさせる」攻撃!
昔っからこうなんだよな、真実って。

思い通りにいかないと、すぐ真実の親父さんのお金を使って何かをやめさせようとする。

真実にとっては。いや、真美の親父さんの力にとっては、何かを潰すことなんて容易いらしい。


「お前、それから卒業しろよな…!」

「何言ってんの?真実の思い通りにならないなんて考えられないもん!」

「……はぁ…」


あっそーですか。
普通の学校に通うちょっと異常なお嬢様。

俺はコイツのせいで、どんだけ心に深い傷を負ってきたか…!


小さいころから、俺が真実と違う遊びを始めようとすれば、俺の父さんを会社から追い出そうとしたり。

俺が少しでも遊びの待ち合わせ時間に遅れると、クレーン車を使って俺の家を壊そうとする。


もう、今時こんな頭おかしいお嬢様いますか?いや、いないと思う。


こんな真実を、兄貴は長い間世話していた。俺が真実と深く関わるようになったのは、俺が中1の時。
兄貴は、その時ちょうど大学2年生。


ずっと兄貴と仲良かったはずなのに。ある時、急に真実は俺に付きまといだしたんだ。




その理由を、俺はまだよく知らない。真美から聞き出そうとすれば、怒り狂って話も聞けない状態にまでなってしまうし。

兄貴に聞けば、分からないと言われるか上手く流されてしまうかのどっちかだ。


依然としてその真相は、解明されないまま今日まできた。




「とりあえず、俺は麗奈も入れて5人でじゃないと食べないからな」

「………」



ぶうう…とまだ頬を膨らませて怒っているみたいだけれど、もうこれ以上ワガママを聞いてられない。


俺は深々とため息をつきながら、麗奈のクラスへと向かった。