打ち上げも無事終わって、あたしと叫心は雄大君と別れた。


そして、二人静かな夜道を歩く。



「…何か、今日一日大変だったなー」


大きく伸びをする叫心。

おっきい背中。守ってくれたんだ…、そう改めて感じる。


「叫心、手!手繋ご?」

「え!?」


驚いて叫心は顔を赤くして、「急に何言い出すんだ!?」って慌ててる。


「だって、なんだか今は叫心の近く…、もっと近くにいたいんだもん」

「!!!」



ボボボ…とだんだん赤さを増して、終いには耳まで真っ赤に。



…だけど、ゆっくりその大きな手を差し伸べてくれる。そして、優しくあたしの手を握る。



…あったかい。




「ずっとこうしてたいな」

「…麗奈、何かへへへ変だぞ!?」

「…何で?」

「だって、急に…そんな事…」


そして叫心は「不意打ちだー!」と言って、顔を隠す。


「…だって、嬉しかったんだもん」

「…え?」

「…あたしのためにあんなに必死になってくれたのが、すごく嬉しかったんだもん」


「…麗奈…」


せっかく流した涙を隠すために、俯きながらそう言ったのに、叫心には簡単にバレてしまったみたい。


叫心は、あたしの頭を優しく撫でる。










「…心配すんな。俺、ずっとお前の側に…いるし…。誓うよ…」






おまじないみたいな叫心の言葉。


あたしは魔法にかかったように、その言葉にとりつかれ、優しく抱きしめてくれる叫心に全てをゆだねた。









叫心の全てを信じて。