ほんと、暁羅とは関わらないようにしてるっていうのに…、どうしてこう関わってしまうんだろ。

暁羅を見るたび、麗奈と暁羅のことを嫉妬してしまう。もう、過去のことなのに。


だけど、それくらい羨ましいっていうのも本音だ。


「昨日、何で俺が麗奈とあの空き教室にいたか、気にならないの?」

「は?」


暁羅にそう言われてみれば、気になるけど。
そのことに関して、麗奈は俺に何も言わないから…別に気にもとめていなかった。



「いや、別に気にしろ…なんて言ってないけどさ」

「……」

「あんま彼女一人にしてっと、…傷つくのは誰だろうね?」


!!…、暁羅のその一言でドキっとした。
もしかして、昨日の二人に何かあったのだろうか?


いや、だけど…昨日麗奈は俺の家にきたけど、何も言わなかったし。


…でも。
思い返してみれば、不思議に思うことが。


明らかにおかしかった麗奈の態度。
ビクビクして、俺じゃない何かから怖がっているようにも見えた。


もしかして。
嫌な予感がした。



「お前っ…、麗奈に何かっ…!」

「おーっと!証拠が何もないのに変な疑いかけないでくれる?」

「っ…!」



そりゃそうだ。
暁羅が麗奈に何かしたっていう証拠がない。

だけど、コイツが何かをしたっていうのは確実だ…!



「ま、気をつけろってことを俺は言いにきたんだよ」



暁羅は俺にそう言いながら、手を振ってその場から立ち去った。