麗奈の教室から、自分の教室へと戻る途中。



「あーあー、モテる男は大変だぜっ」

と、雄大が長塚から受け取っていたタオルで額に掻いた微かな汗を拭っていた。


「お前、よかったな。久しぶりにモテだして」

「んな!?、叫心ってば何言っちゃってんの!」


俺はいつもモテてます!なんて言いたそうな表情をして俺を見つめる雄大。

よっぽど、長塚からの好意が嬉しいんだろうな…。


「マネとの恋って、…やっぱ憧れだぜ!」

「……はいはい」


ガッツポーズを決めながらブツブツ言ってる雄大を俺は無視して、歩みを進める。






すると、俺の教室の前にあんまり会いたくないあいつが待っていた。


「…暁羅…」

「よぉ、叫心」

「…お前、待ち伏せが趣味なのか?」

「まぁなー!いつもは女の子に待ち伏せされてるんだけどよ。叫心だけ特別だぜ?」


バカらしい冗談をケラケラと笑いながら話す暁羅。


「で、何の用だよ」

俺がそういうと、暁羅は待ってました!といわんばかりに、俺に向かって笑顔で歩み寄ってきた。