「あ、暁羅!」

「よっ」


暁羅はそう言って、あたしの隣にある机の上に軽く座った。



「ていうか、ストーカーって何!?一応彼女なんだけど!」

「あちゃー…、知らなかったー!」

「…嘘!」

「俺は自分に正直だからそれでいーのっ」


「あっそ。ていうか、一緒に応援したいの?」

あたしのその言葉に暁羅は"はいぃ!?"奇声をあげた。


「…じゃあ何でここにいるの?」

「別に俺の勝手だろ?」


そう言って、暁羅は自分の携帯をいじり始めた。





…バカ暁羅。
大した用がないんなら、早く帰ればいいのに…。


あたしはそう思いながらも、またグランドに振り返った。



叫心はやっぱり一際目立っているから、応援するあたしの声も一際目立ってしまう。





「なぁ麗奈…」


「…麗奈」

「……麗奈さーん!」




暁羅に三回呼ばれて初めて気付いた。



「ごめん!応援に夢中になってた…!!」

「……あのさ…」


暁羅は口をモゴモゴさせながら何か言っている。




「…暁羅?」



あたしがそう言って、暁羅に一歩近付いた瞬間だった。





「俺と付き合ってる時も、俺の事叫心と同じくらい想ってくれてた…?」





暁羅は、眉間にシワを寄せながら。いつもとは違う真剣な表情をして、あたしを見つめていた。