『ナイッシュー!』

『パス!!』



明るかった青空が夕焼け空に変わって、グランドからはたくさんの掛け声が聞こえ始めた。



あたしの視線はただ一点に集中していて、それはもちろん叫心。


ほんとは今日も間近くで応援するつもりだったの。

だけど叫心が今日は寒いし、やっぱりさすがにいつも見られてるってのは恥ずかしいって言うから。



…しぶしぶ教室から見る事にしたんだ。




それにしても、叫心はかっこいい。

このセリフ今まで何回言ったかな…?


もう数えきれないくらい言ってる。





「きょーしーんっ!!」


気付いたら大きな声で手を振って名前呼んでた。

案の定、名前を呼ぶと叫心は真っ赤になりながらコケてる。






きゃー!!
可愛いーっ!


そう言いながらその場で悶えてた。



その時だった。










「麗奈、…またストーカーしてんだ?」



聞き覚えのある声にあたしは呼ばれて、振り返った。