「この前は映画。その前は緋苺が好きな奏者の演奏会…」 指をおりながら、どこに行ったのか思い出しはじめる。 あたしも、部屋の壁や机、本棚とかに飾ってあるおみやげを見た。 「どこがいい?」 「…遊園地、かな」 行けなかったもん。 あたしは頬を少し膨らませて、大地を見つめた。 「あーもう。それ、反則」 そう言うと同時に、男子っぽい太くてたくましい腕に包まれる体。 「ちょっ…!?」