―コンコンッ


「失礼しまーす」

「空!そらぁー…そらそらそらぁ…」


そこには、泣き崩れる母の姿。


「母さん?どうしたのさ?」


そんな母の姿を見て、尋常じゃないことが起こったんだ、と俺は悟った。

ひっくひっく、と泣く母は、うまく言葉が出ないのか、途切れ途切れに話した。


「お、おとうっお父さんが…じ、」

「父さんが?母さん落ち着いて」


俺にしがみつく母の背中をさすった。
ここは職員室で、先生方が心配そうに母を見つめている。


「お父さ、んが…事故で、しん、だの」

「…は?」

「だか、ら、お父さんが、死んだのよ…」


そう言い切ると、母はまた泣き出した。


…ちょっと待てよ、父さんが死んだ?
事故で死んだだって?


「何言ってんだよ、母さん…」

「私もわからないわよっ!!!」


冗談きつくねぇか?
何?エイプリルフールはとっくに過ぎてるけど。