「いい…あなたが何を言っても私はこの紐を解かないわ…」

君は覚悟を決めたようにその熱のある瞳で僕に言ったね。

覚せい剤の禁断症状の凄さは想像の絶するものだった。
君はメモに書いてあった通り、僕の手足にタオルを巻きその上からロープで縛り固定して自由を奪った。食事や排せつの世話は全て君がしてくれた。僕は君が作ってくれた粥を君が食べさせてくれていたのにやはり砂の味しかせず吐き出した。
そして幾度となく襲ってくる激しい発作が僕を苦しめる。そしてもう一人の僕が目を覚ます。

「もういいんだ…お願いだクスリを!!」

と、哀願しても君はただひたすらに首を横に振る。
そして自我を抑えることができなかった僕は暴言を吐きながら暴れ尚も自分の自由を奪っているこの紐からのがれようとした。メモにはどんなことがあろうとも決して解いてはいけないと記されていたので君は僕がどんなに暴れようとも必死に取り押さえていた。時には頬を叩いて激しく暴れる僕を抑えていてくれたね。
其の時の僕は子どものように泣き叫び、哀願した。

「もう…もっ…げ…かい…だ…ろ…せ……こ…してくれ!」

気が狂うほどの痛み、精神が侵されると言うものは、痛みすら伴うのであろうか。僕は、幾度も幾度も死にたいと哀願した。僕は赤子が癇癪を起すように泣け叫び、手足が千切れるんじゃないかと思うほど暴れた。

その苦しみが3日間続いた…