しかしあの光条がこの決定的致命打を見逃すはずがなかった。ゆうこさんに知られた時点でトカゲの尻尾だった僕の尻尾は瞬く間に切られたんだ。

「おい、光成!お前、俺達を破滅させる気か?この薬中ヤロウが!見つかったらそっこーつぶされるんだよ!」

僕は漠然とした。いつものように出勤したら僕はいきなり責められたんだ。何もかも知っているはずの隼人さんに。他のキャストにもわかるように大声で。
それは、全て光条の差し金。光条がキャスト全員にわかるようにそうしむけさせたんだ。ついに僕が捨てられる時がきた。
あっけない幕開け…全員から妬まれていた僕は、すぐに囲まれ、まるで袋のねずみになった気分だった。

「どうかお願いします!迷惑はかけませんから…お願いします…」

否定すればよかったものの、あの時の僕はそんな余裕もなかった。
僕は、隼人に縋るように土下座し哀願したが、一切聞く耳を持たせることも出来なかった。

「おぃ!こいつを追い出せ!」

その一声で、いつもは客に媚びを売っているキャストたちが一斉に僕を睨みつけ向かってきた。
皆、怒鳴り散らし、僕に殴りかかってきた。もちろん既に細々としている僕の四肢はその狂気にまかせた相手の攻撃を防ぐことはできずに、まるでぼろ雑巾のようにタコ殴りにされてしまった。

僕は再び居心地の良いベットに舞い戻っていた。数人に袋叩きに遭い、躰はぼろぼろ。もう動く気力すら奪われていった。

どのくらいあのベッドに倒れていたのだろう。朝日が差し込んできたのか僕は目を覚ました。それでもただひたすらに塞ぎこんでいたんだ。