「…わかりました…」
金で愛を買う世界。偽りの愛かもしれないが、偽りだらけの自分には、この世界がとても似合っていると感じていた。寂しくなったらまた連絡を取ると言ったゆうこさん。独身貴族とは言うものの、寂しさは埋められないのだろうか、抱いた翌日また連絡がきた。
「光成…今夜もお願い…」
僕は、ゆうこさんから着信のあった携帯を閉じると、早速手に入れた金でドラッグを手に入れるために、暗がりのクラブの入り口に向かった。その入り口はまるで、地獄の入口のようであった。闇に住まう自分にとっては唯一の救いの道であるかのように。
僕は、何も言わず、ゆうこさんからもらった30万が入った封筒ごとバイヤーがいるバーカウンターの上に乱雑に投げ置いた。
「ふーん・・・」
そう言うとバイヤーは封筒の中身を確認しはじめた。
するとバイヤーの目つきが変わり、不敵な笑みを浮かべて僕に向けてきた。
そしてバイヤーは椅子から立ち上がり、店の奥のほうに向かっていった。僕は、許されることではないと分かっていながらもその衝動を抑えることができず、バイヤーの後について奥の部屋に向かった。

