風神I





「おい!!お前、名前何っていうんだ。」




突然、赤髪が喋った。今のは多分あたしにだろう。





「人に聞く前に自分の名前言ったらどうですか。」




とりあえず自分より歳上だろうと思い敬語で言った。




すると…




「俺のこと知らねぇのか?」




赤髪は呆然としている。




なんか前にも似たようなことがあったような気がするけど、思いだせない…




「もしかして、ここにいる全員の名前知らない?」




女の人が聞いてきた。




「知りません。」





あたしは、なんだか悪い気がして下を向いた。




「責めてるわけじゃないから安心して!!ただちょっとびっくりしただけだから。」




女の人はあたしに優しく声をかけてきた。