自分の席へ座ると横には机に顏を伏せて眠っている紫音。
「なんで紫音が隣にいるの?」
「お前の隣が紫音だからだよ。」
あたしの質問にこたえたのは氷真だった。
みごとに二人に囲まれたみたいだ。
まぁ、知らないやつとなるよりはこの二人の方がいいか。
あたしは今だ喋り続ける氷真を無視して窓の外を眺めていた。
窓の外というよりは、ここから見えるテニスコートを見ていた。
この学校にテニスコートがあることも驚きだがそれ以上に驚いたのは、
テニスコートが綺麗だったことだ。
ネットもちゃんと張られているし、ゴミだって落ちていない。
審判台だってちゃんとたっている。