「ほら!迎えきた。」



馨が高級車の方を向いて言った。



ヤッパリあれのことか…


馨って金持ちなのか?





「なんで高級車なの?」




「あぁ、先輩がくれたんだよ。」






誰だよ先輩って。





馨は高級車の方に顏を向けた。




今だ!!




そう思ったあたしは、素早く馨の横を通り抜けた。




「あっっっ!!」




不意をつかれた馨は慌ててあたしを捕まえようとしたがもう遅い。







「じゃぁね、馨。」




あたしはそう言うと高級車とは反対側へ駆け出した。




「お、おい!!真城!!」





後ろで馨が呼ぶ声が聞こえたがここで止まるようなやつはいない。